住所不定、無職の寺内進被告（32）は、去年1月、JR博多駅近くの路上で、元交際相手の会社員川野美樹さん（当時38）に待ち伏せしたうえ、包丁で刺して殺害したとして殺人やストーカー規制法違反などの罪に問われました。
これまでの裁判で検察は懲役30年を求刑し、弁護側は「被告は待ち伏せしておらず、計画的な殺害ではない」などとストーカー規制法違反については無罪だとして、懲役17年が相当だと主張していました。
28日の判決で福岡地方裁判所の冨田敦史裁判長は「被告が待ち伏せしていたといえるかについては疑問が残るが、被害者を7分間にわたって追従した行為はつきまといと言える」としてストーカー規制法違反の罪が成立すると判断しました。
その上で「強固な殺意にもとづく執ようで残忍な犯行で被害者の感じた恐怖や苦痛、娘を残していく無念さは大きく遺族が厳しい処罰を望むのも当然だ。被害者には何も落ち度がなく被告の逆恨みによる事件で、短絡的で身勝手であり厳しい非難は免れない」などと指摘しました。
一方で、複数の生命に危害を加えた過去の事件などをもとに懲役30年とした検察の求刑は相当ではないなどとして、被告に懲役20年を言い渡しました。